光ることを忘れた太陽。

「さっきから呼んでたんだけど」


「ごっ、ごめん!」


どうしよう。


告白されたことに驚きすぎて、冷静になれてなかったのかも。



「……俺のこと、意識してんの?」


急に尚が真剣な声で問いかけてくるから、思わず息が詰まった。


でも顔を上げて見てみると、そこにはイタズラな笑みを浮かべた尚の顔があった。



「ち、が……っ///」


慌てて否定するけどもう遅いようで、尚の顔が近づいてくる。



「……あーもう、お前さ」


尚が頭をかきながら私の方を見て呟く。



「可愛すぎるんだって」


「なっ///」


油断してたときにそんなこと言うなんてズルいよ。


さっきよりも鼓動が速くなってる……。



「尚のバカ……」


「咲希のことが好きすぎて、バカになったんだよ」


そんな恥ずかしいことも平気で言ってのけるなんて、やっぱり尚はバカだよ。


それからは普通に話したけど、気まずい雰囲気は残ったままだった。
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