光ることを忘れた太陽。

◇◆◇



学校に着くと、みんながいつもと違う格好で新鮮だった。


隼もブレザーを着こなして、袴を着た井上の隣に並んでる。


その隣で咲希は少し恥ずかしそうにしながらはにかんでいる。



やばい、可愛すぎだろ。


薄いオレンジと水色の袴は、咲希の明るいところが表現されている。



ふと、咲希と視線が合った。


逸らされると思ったけど、咲希も視線が合ったことに気づいたようで、ニコッと微笑んだ。


あーもう……。



「……咲希、可愛すぎだって」


小声で咲希にそう耳打ちすると、咲希の顔はみるみる赤くなっていく。


そういう反応も可愛いな。



「もうっ！からかわないでよ！」


からかってないし。


本当のことなんだけどな。



「尚の方がかっこいいし！」


と、その言葉に耳を疑った。


「……え？」


咲希は無意識で言ったようで、さらに顔が赤く染まっていった。