光ることを忘れた太陽。
「なーおっ!泣いてるの?」
と、後ろから明るい声がする。
でも、その声も震えてることに気づいてないのか?
「咲希」
目が合ったとき、このまま離したくないと思った。
このまま抱きしめたいと思った。
「ちょっとこっち来い」
我慢できなくなった俺は、咲希を連れ出した。
誰もいない、2人だけになれるところへ。
「ど、どうしたの?」
戸惑いながらもついてきた咲希を、俺は何も言わず抱きしめる。
俺の中にある小さい体から、ぬくもりが伝わってくる。
「尚……」
好きだ、咲希。
この世界の誰よりも好きだ。
この気持ちはきっと永遠に消えることはないんだろう。
でも咲希はきっと、俺と同じ気持ちじゃない。
そう思うと、このまま抱きしめていてはダメだと思った。
「……困らせてごめん」
俺はそう言って体を離した。