光ることを忘れた太陽。

「あ……」


なんだよ、その名残惜しそうな顔。


もっと愛しく思っちまう。



「俺、やっぱり咲希のこと好きだ。この気持ちは嘘じゃねーよ」


そう言い切ると、咲希は気まずそうに目を伏せた。


やっぱり俺、振られるのか……。



「尚、あのね」


そのとき、俺達2人の間に風が吹いた。


きっと誰もが心地よいと思うような、そんな風が。



「私、尚のことが……好き……っ」



きっとそんなの俺の都合のいい聞き間違いで。


咲希が恋愛感情なんて俺に抱くはずないわけで。



でも、目の前にいる顔を真っ赤にした咲希はどういうことなんだ?


今のは幻覚……だよな?



「尚……」


だからこの寂しそうな顔をする咲希もきっと夢で……。



「好きだよ……」


そう言って抱きついてくる咲希は……。



「……おせーよ、バカ」


間違いなく、俺の大好きな咲希だ。
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