光ることを忘れた太陽。
6章

騒がしい中学校




《咲希side》




風にのって宙を舞う花びら。


目の前に広がる桜の木を食い入るように見つめる。



私と尚が付き合って3週間が経った。


ついに今日は中学校の入学式。


春休み中は尚とデートしたりして、すごく楽しかった。



小学生の頃は毎日がこんなにキラキラ輝いて見えるなんて思いもしなかったのに。


恋をすると変わる、ってこういうことなんだね。




「ねぇ、尚」


「ん?咲希、どうした?」


私が呼びかけたら尚はすぐに返事をしてくれる。


付き合う前は何も気にしてなかったのに、付き合ってからは毎日うっとりしちゃう。



「中学校ではクラス離れちゃうのかな……」


小学校では6年間同じクラスだった。


でも、さすがに中学校ではきっと離ればなれになる。


そう考えると不安で心が押しつぶされそう……。
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