光ることを忘れた太陽。
「なーに不安そうな顔してんだよ」
「だ、だって……」
私なんていいところないから、尚はすぐ嫌になっちゃうはずだもん。
離れてるならなおさら。
「たとえクラスが違ってても、俺は咲希だけが好きだから」
そのときは、本当にその言葉を信じてた。
離れてても私達なら大丈夫だって、そう思ってた。
でも現実は、そう甘くはなかったんだ。
当時の私達は、これから何が待ち受けているか知る余地もなかった。
少しずつ、私達の歩む道はズレていってたんだね─────。
◇◆◇
中学校に着くと、1年生の教室がある4階まで上がった。
尚と一緒に「疲れるね」って顔を見合わせて笑いながら。
4階に着くと、名簿が貼ってあった。
2人で自分達の名前を探すと、先に尚の名前が見つかった。
「俺、5組だ。咲希は?」
「私は……あった!1組だって」
この学年は5クラスあって、1組から5組までは1番遠い。
本当に離れちゃったんだ……。
クラスに尚がいないなんて、きっと慣れないだろうなぁ。