光ることを忘れた太陽。

この学校のバレー部は女子限定だから、女子トークとかができて楽しいんだ。


それに桜蘭は尚と同じクラスだから、毎日のように尚の話を聞かせてくれる。


小学生のときは恋バナとかしなかったけど、中学生になるとできるようになった。



これも尚のおかげだね。


早く尚が胸の内を明かしてくれるといいんだけど。



そんなことを思っていた私は、本当に考えが浅はかだった。


尚の抱えてるものも知らずに、ただ毎日を生きてた。


大切な人達に裏切られる日が来るなんて思いもせずに─────。




◇◆◇



事件が起こったのは6月の半ば。


日差しはちょうど真上から降り注ぎ、暑い毎日を過ごしていた。



〈大事な話がある〉



尚からそんなメールが送られてきて、〈どうしたの?〉と返す。



毎日のようにおはようで始まり、おやすみで終わるメールを繰り返す私達。


どちらかが決めたってわけじゃないけど、今ではそれが習慣化されてる。



2人共今は部活で忙しい時期で、最近はあまり一緒に過ごす時間がとれないけど。


きっと、大丈夫。


そんな中途半端な気持ちがことを大きくさせたのかもしれない。
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