光ることを忘れた太陽。

〈咲希、別れよう〉



「え……?」


突然だった。


なんの前振りもなくそんなメールが送られてきて、目を疑った。



嘘、でしょ……?


一瞬で尚のことがわからなくなった。



『俺だって不安なんだよ』


あの言葉は嘘だったの?


尚は私のこと、好きじゃないの?



嫌な考えばかりがグルグルと頭の中を回る。


でも、別れようってことは、そういうことだよね?




動揺を隠せず、すぐに返信できずにいると、



〈いきなりごめん。俺達、友達に戻ろう〉



そんなこと言われたって。


「私は、好きだもん……っ」



でも、きっと私がいけないんだよね。


尚が嫌がるようなことを無意識のうちにしちゃってたんだ。


それとも……考えたくないけど、私よりも好きな人ができた?



わかんない。わかんないけど。



〈うん。ごめんね〉



尚が決めたことなら仕方ないよね。
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