光ることを忘れた太陽。
「尚也がいなくても俺がいるから」
「……あり、がと」
私はまだ何も知らなかった。
知らないまま、ただ武琉に縋ってた。
恋で傷ついた心を癒すには、また新しい恋をすることが1番だって、わかってたはずなのに。
君が私に抱いてる感情が “ 友情 ” じゃないことくらい、知ってたのに。
私はこの状況から抜け出さないで、自分が傷つかない方法を選んだ。
だからきっと、神様は私達にとても難しい試練を与えたんだね。
尚と桜蘭が付き合う前日。
『尚也。咲希ちゃんを傷つけるなんて、許さないよ』
『……知らねーよ。俺には関係ない』
2人が私のいないところでそんな話をしていたなんて。
私と尚の関係だけじゃなくて─────尚と武琉の絆も壊れていたなんて。
そんなの、私は知らなかったんだ。