光ることを忘れた太陽。
7章

落ち着かない心




「ちょっ、ダメだよっ……」


「咲希ちゃん……っ」


「武琉……」



ねぇ、武琉。


そんなこと言わないでよ。



私、どうしていいのかわかんなくなる。


だから、今の言葉は撤回してよ。




「……好きだよ。咲希ちゃん」



尚と別れてから2週間が経った今、武琉の想いに初めて気づいた。


やめてよ。


そんな目でそんなこと言わないで……。



呆然と立ち尽くす私を前にして、武琉はまた言葉を続ける。



「付き合ってください」


隠してるけど、武琉の顔は真っ赤。



私のこと、大事にしてくれてるのは知ってたよ。


なんとなくだけど、距離が近くなってることも気づいてた。


もちろん、告白されたのは嬉しいけど。


それでも私の中で答えは決まってるんだ。



「……ごめん、武琉とは付き合えない」



私には、他の人を好きになる資格はない。


私には、他の人と付き合う資格はない。


なんて言われても、この考えは変わらないよ。
< 144 / 301 >

この作品をシェア

pagetop