光ることを忘れた太陽。

愛をもらっても、怖くなるだけなの。


また裏切られるんじゃないか、って。


だから私はもう恋なんてしない。


したくないんだ。



「……そっか」


「ごめんね」



出会ったのは中学生になってからだけど、武琉の優しさには誰よりも助けられてきたと思う。


それなのに、気持ちに応えてあげられなくてごめんね。


迷惑しかかけてないのに、こんな私のことを見捨てないでいてくれるんだもん。


武琉は本当に優しいよ。



「尚也のこと、まだ好き?」


「……っ」


好き。大好きだよ。


でも、尚は私のことなんて嫌いなんだから、私も嫌いにならなきゃ。


そう言い聞かせなきゃいつまでも諦められないから。



尚のためにも。私のためにも。


私が気持ちを隠せばいいんだよ。



「辛くなるくらいなら、俺にすればいいのに」


「そんなの、無理だよ……」


そんな中途半端な気持ちで付き合って、武琉を傷つけたくないもん。


それに、この気持ちは変わりそうにないから。
< 145 / 301 >

この作品をシェア

pagetop