光ることを忘れた太陽。

「もう……バカだなぁ、咲希ちゃんは」


「……うん」



ごめんね。武琉。


武琉には辛い想いをしてほしくないのに。


私は欲張りで諦めが悪いから、今でも尚との未来を信じちゃうんだ。


あの日々はもう戻ってこないのに。



朝起きて目覚めたときも、メールが送られてきてないか確認したり。


学校へ行くときも迎えに来てくれないか探したり。


そんなことあるわけないってわかってるのに、いつまでも希望を抱き続けてしまう。



だって、私の頭の中によぎる尚はいつも太陽みたいに輝いてるから。


そして、その隣にいる私も笑ってるから。


偽りのない、本当の自分がそこにいたから。




ねぇ、今君は笑ってますか?


私の好きな笑顔は、君の大切な人の前で輝いていますか─────?


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