光ることを忘れた太陽。

俺は最低なことをした。


振った俺が言うなんてズルいかもしれない。



でも俺は、ちゃんと咲希のことを想ってた。


だからこそ、幸せになってほしいんだ。


俺じゃない奴と、心から笑ってる咲希を見たいんだ。




別れてから、どうしても気がかりだった。


咲希が作り笑いでいること。



でも、石塚といるようになって咲希には笑顔が増えたように思えた。


だから2人がくっつけばいいって、そう思ってたのに。


咲希の答えは違った。



あんなに好きだったのに、咲希を振り回した挙句、置き去りにするなんて。


そんなことをした俺は許されなくて当然だ。



でも、俺が桜蘭と一緒に幸せな気持ちでいられるのも。


全部、咲希のおかげだってわかってる。



あんなに最低なことをしたのに、咲希は俺や桜蘭を責めなかった。


何も言わず、俺のワガママを受け入れてくれたんだ。


俺のせいで自分の幸せが壊れるっていうのに。



咲希の一途なところ、大好きだった。


……いや、今でも大好きだ。
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