光ることを忘れた太陽。

「隣なら座ろうよ!」


平常心で言ったつもりなのに、尚にはお見通しだったみたいで。



「……そ、そんなに喜ぶなよ。バカ」


なぜか照れながらそんなことを言われた。


え?私、喜んでたのかな?


そんなつもりはなかったんだけど。



そんなことを考えながらも、頭の中で何か引っかかる。


なんだか私、大切なことを忘れているような……。


あ、そうだ!



「私はバカじゃないもん」


「は?バカだろ」


「違うもん!」



私はバカじゃないの!


少なくとも尚の方がバカだもん。


……学力的にも。


そう言ったら怒られそうだから言わないけどね。



私達はこうやってすぐ言い合いになる。


でも喧嘩にはならないよ。


だってお互いに絶対「嫌い」なんて言わないから。


これは暗黙のルールみたいなもの。
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