光ることを忘れた太陽。
「田代?」
と、ふいに桜蘭に話しかけられビクッとする。
あぁ、そうだ。今は桜蘭と一緒にいるんだった。
「田代ってさぁ、なんで咲希と別れたの?」
「……っ」
そんなの、言えない。言えるわけがない。
俺が無言でいると、桜蘭は深いため息をついて、「まぁ、いいけど」と言う。
咲希も桜蘭も、悪くない。
この決断をしたのも俺だし、後悔もしてない。
それなのに、なんでだろうな。こんなに胸が痛むのは。
俺はこのまま、みんなを欺き続けるんだろうか。
それとも、全部話していっそのこと楽になってしまおうか。
でも、それじゃ別れた意味がない。
だから俺は、これからずっと罪を背負って生きていくんだ。
誰になんて言われようと、俺はこの選択を間違ったとは思ってない。
だから。
「尚也、なんで咲希ちゃんを振ったんだよ……っ!」
石塚にそう言われようと、俺には言い返す権利はない。