光ることを忘れた太陽。

「なんか言ってよ……っ!」


石塚、ごめんな。


俺のせいでお前のことも傷つけてる。


入学当初はいつも一緒に行動してたのに、今ではもう目も合わせなくなった。



「話すことなんて、ないだろ」


俺が悪いんだ。


だから、お願いだからこの声だけは震えないでくれよ。



突き放すような冷たい言い方の中で。


“ お願いだから気づいてくれ ”


そんな思いがあったことに気づき、慌てて打ち消した。


そんなことを思う権利、俺にはない。




◇◆◇



家に帰ると、リュックを置いてひと息つく。


「はぁ……」



なぁ、俺はどうすればいい?


これからどうやって生きていけばいい?


俺にとっての太陽は、今どこにある?


咲希と別れて、俺に残ったものはなんだろうか。



誰も俺の味方なんていない。


桜蘭だってきっと……きっと。


桜蘭の気持ちの向く先は、俺じゃなくてアイツだ。



だったら俺、なんのために生きてんの?


俺は存在してる意味、ある?


最近はこんなことを考えてる自分がいる。
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