光ることを忘れた太陽。


◇◆◇



梅雨が明けて、暑さも厳しくなる7月のある日。


まさかこんなに早く俺の掴んだ幸せが壊れるなんて思いもしなかった。




朝から、咲希と石塚が親しげに話してる様子が見える。


その咲希の寂しそうな笑顔を見るのは何回目だろう。


そして、その度に胸がチクッと痛むのはなんでだろう。



ふと、石塚と目が合った。


何か言いかけたかと思うと、咲希に手を振ってこっちへ歩いてきた。



「尚也」


そんな目で俺を見るなよ。



「何」


鋭い目つきで石塚を見下ろすと、困惑したような顔を見せた石塚。


ごめん。本当にごめん。



「……なんでもない」


俺のこと、責めろよ。


言いたいことがあるなら言えよ。


そうじゃないとこんな俺、みじめじゃん。




「石塚ー」


そう言って石塚から向けられる視線を遮ったのは、桜蘭だった。
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