光ることを忘れた太陽。

「尚……?」


「……ああ」


別れてから半月くらいが経って、やっと咲希の俺を呼ぶ声も忘れてきたところだったのに。


なんで、なんでだよ……。



「あり、がと……」


その寂しそうな笑顔に、心臓がすごく苦しくなった。


そんな顔をさせてるのは俺?



俺のせいで咲希は……。


「咲希ちゃんっ!」


そんな俺の思いをかき消すように聞こえてきたのは、石塚の声。




「武琉……」


すると咲希は戸惑ったように俺と石塚を交互に見て、困惑した顔を見せる。



「……どういうつもり?」


いつも以上に低い石塚の声のトーン。


それが心に重くのしかかるのは、俺がそれを真剣に受け止めてるからなのか?


それとも、まだ……。



「……もういい」


諦めたようなそんな表情を浮かべて、石塚は廊下へ歩いていく。



咲希はその姿を見ながら呆然と立ちすくんでいた。


そしてその後、悔しそうに唇を噛みしめて、視線を落とした。



……全部、俺のせいだ。
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