光ることを忘れた太陽。

「ごめん。全部俺のせいで……」


そんな言い訳くさい言葉は聞きたくない。


もうこの場にいたくなかった。


早く立ち去りたかった。



「調子悪いって言っといて」


「……わかった」


つくづく思うけど、石塚は優しいよな。


こんな俺の気持ちも読み取ってくれるなんて。



だからお前の頭の中は今、きっと罪悪感でいっぱいなんだろう。


そう思いながらも、俺は廊下を全速力で走った。




あの場にいたら抑えきれなくなるところだった。


桜蘭への気持ちも、涙も。



それなのに乾いた笑いしか出ないのは、俺の強がりか?


でも俺にはこの選択肢しかないんだ。



屋上の扉の前に着くと、ちょうどチャイムが鳴った。



石塚のことだから、きっと先生に言ってくれたんだろう。


まだここにいられる。


この時間に屋上へ足を踏み入れる人なんていないはずだから、1人でいられる。
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