光ることを忘れた太陽。

「はぁ……。バカなんだから認めろよ」


『はぁ……』なんてため息ついちゃってるし。


そんなに呆れられるようなこと言ったかな?



「それに、席こっちだし」


「あ……」


そう言って尚は手を掴んで、席までつれてきてくれた。



「ありがとっ」


恥ずかしい思いを隠して、そう言うと尚は目を逸らす。


「別に」


それだけ言って座ってしまった。




続いて席につくと、先生の声が耳に入った。


「卒業までこの席で過ごすので、お互いに挨拶をしてください」


その言葉で、私は尚に声をかけた。


言い合いしていたことも忘れて。



「尚、よろしくね!」


「おう、よろしくな」


いつも通り返事してくれたってことは、もう機嫌は直ったのかな?



こんな風に私と尚は、なんだかんだで仲のいい友達だった。


────そう、友達だったんだ。
< 16 / 301 >

この作品をシェア

pagetop