光ることを忘れた太陽。
大切なこと
《咲希side》
「ど、どういうこと……?」
「だから、尚也と桜蘭ちゃんが別れて……っ、尚也がどっか行っちゃったんだよ!」
何それ……。
尚と桜蘭が別れた?
尚がいなくなった?
私の中で疑問が渦巻く。
だって、昼休みのときは普通だったよね?
尚も私を助けて動揺してたけど、別れ話になるなんて思ってなかった。
じゃあ、これは私のせい……?
尚は私を助けたから桜蘭に振られたの?
……私の、せいだ。
「この学校の中にはいるんだよね?」
「多分ね」
それなら、探せば見つかる。
弱ったときの尚は本当に大変で、すごく辛そうな顔をする。
それでも、辛い気持ちを隠そうとするの。
私は知ってるんだから。
だって、ずっと一緒だったんだよ─────?
「私、探してくる!」
「ちょ……っ、咲希ちゃん!」
私は武琉の呼び止める手を振り切って、走り出した。