光ることを忘れた太陽。
だって、私の大切な人が1人で泣いてるかもしれないんだよ?
抱え込んでるなら、話だけでも聞きたい。
私なんかじゃ力になれないかもしれないけど。
でも、1人になんてさせない。
だってそれは、尚が私にしてくれたことだから。
6時間目開始のチャイムが鳴って、廊下はシンと静かになる。
武琉、言ってくれたかな。
本当にごめんね。
そして、ありがとう。
尚、絶対見つけるから。
待っててね。
私なんかが来たって嬉しくないと思うけど。
いつか尚がそうしてくれたように、今度は私が助けるから。
頼りないかもしれないけど、力になりたいの。
そして考えついた、尚の居場所。
この時間に1人になれる場所は、1つしかない。
きっと─────屋上。
そう思ってまた駆け出す。
足音を立てないように急いで廊下を走り抜けた。