光ることを忘れた太陽。

この選択肢しか俺にはない。


中途半端に別れて咲希を後から傷つけるくらいなら。


偽りの言葉で、咲希を突き放そう。



《振り回してごめん。じゃあな》



咲希……。


自分から振ったくせに、まだ未練があるみたいだ。



他に方法はなかったのか?


俺達はこうなる運命だったのか?


大人の事情のせいで、子供の幸せは奪われるっていうのか?



なんで、なんで全部上手くいかないんだよ……。


俺は、どうやって生きていけばいい?




太陽を失った俺は、毎日を枯れた植物のように生きていた。


繰り返される日々に潤いも日差しもなくて、闇の中を永遠にさまよってるようだった。



そして、俺は咲希だけじゃなく石塚も失った。


石塚が咲希を好きなことくらい、わかってた。


だから、アイツが代わりに咲希を幸せにしてくれるって、勝手にそう思ってた。



……石塚は咲希に告白した。


でも咲希はまだ俺のことを忘れてないようだった。


また、俺が。咲希の幸せの邪魔をしたんだ。
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