光ることを忘れた太陽。


その前日、俺は石塚に呼び出されて屋上へ来ていた。


『尚也。咲希ちゃんを傷つけるなんて、許さないよ』



……俺だって、好きで傷つけてるわけじゃない。


俺といたら咲希はもっと傷つくことになるから。


だからこうするしかないんだよ……。



そう言いたかったけど、言ったらきっと。


2人は俺を庇って「大丈夫だよ」って言うだろうから。


だから、何があっても言っちゃいけないんだ。



『……知らねーよ。俺には関係ない』



誰も、俺の苦しみに気づかなくていい。


誰も、俺の弱さに気づかなくていい。


誰も、真実なんて知らなくていいんだ。



そのときの俺は自暴自棄になっていた。


だから人生なんてどうでもよくなってた俺は……。


たまたま告白してきた桜蘭と付き合った。



気持ちなんてなかった。


ただ、この世界から逃げたかったんだ。



思えばそのときから、桜蘭は石塚のことが好きだったんだと思う。


でも俺は、好きになっちまったんだ。
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