光ることを忘れた太陽。
真実の向かう先
《咲希side》
〈話があるの。屋上に来て〉
そう書かれたメールを送信する。
すると、5分も経たないうちに屋上の扉が開いた。
私達の間にはピリピリした空気が流れていて、まるで関係が変わってしまったあの頃のよう。
でも、私はもう逃げたくない。
自分の心に素直でいるって決めたから。
尚のことが、好きだから。
「久しぶりだね、桜蘭」
「……うん」
ちゃんと話をしよう、桜蘭。
私にとって尚は、生きがいだった。
尚のためならなんでもできるって、心の底からそう思えたんだ。
たとえ何回裏切られたって、私が尚を想う気持ちは変わらない。
むしろ、忘れようとする度にこの気持ちは強くなっていくの。
だからこの前、桜蘭と別れて涙を流している尚を見て、胸が苦しくなった。
桜蘭のことを好きだった気持ちが、痛いほど伝わってきたから。
だからこの気持ちは一方通行。
もう2度と叶うことのない、片想い。
自分でも諦めが悪いことくらい、わかってる。
永遠に追いつかない面影を追いかけるなんて、バカだとも思ってる。