光ることを忘れた太陽。

いつもそう言ってるのに、光梨は驚いた顔をする。


「もったいない!咲希はモテるのに」


モテる?私が?


そんなこと、今朝も誰かに言われた気が……。



記憶を辿っていくと、尚の顔が浮かぶ。


そうだ。尚也に言われたんだ。




「そんなわけないよ」


「咲希はもう少し、自分の可愛さを自覚した方がいいわよ」


呆れ顔でため息をつく光梨。


えー、私に可愛さなんてあるわけないのに。




不思議そうに光梨を見ていると。


「はぁ……。尚也くん、かわいそうに……」


「なんで尚?」


と、おそらく心の声であろう呟きが聞こえた。



私に好きな人がいなくても、尚には関係ないよね?


それなのに、なんで尚が出てくるの?


光梨は何か知ってるのかな?


私の頭じゃ理解できないよ。
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