光ることを忘れた太陽。
「バカ……」
桜蘭……。
今まで一緒に過ごしてきた時間は短いけど、なんとなくわかる気がするよ。
桜蘭は自分の本音を伝えるのが下手で、なかなか人と正面から向き合えないってこと。
「何言ってんの?咲希とは友達のままでしょ?」
桜蘭……。
そうだよね。
私達は素直になれなくて、気まずくなってただけ。
もっと早く気づけば良かった。
もっと早く寄り添ってあげれば良かった。
もっと早く向き合っていれば良かった。
辛いのは桜蘭も同じだったんだね。
「さく、らぁ……」
「えーっ!泣くなって、もう」
私は友達との接し方を間違えてたみたい。
解決の糸口なんて、私達の心次第でいくらでも見つけられたはずなのに。
私は、何を恐れてたんだろうね。
これまでの出会いは全て奇跡で。
これから彩られていく思い出も、全部。
私だけの、私だけにしかわからない大切なものだから。
尚とも。桜蘭とも。武琉とも。
みんなに出会えて良かった。
だから……。
「桜蘭。何があったのか、教えてほしい」
もう、後ろを見ずに踏み出そう。