光ることを忘れた太陽。
《桜蘭side》
「桜蘭は、尚のこと好きだった?」
……好きだったよ、ちゃんと。
目を閉じれば今でも鮮明に思い出せる。
田代は、あたしと付き合って何を感じてた?
付き合ってるって言葉だけで、友達と変わらない関係。
そこから何も進展しないまま、あたし達は別れた。
この真実を伝えるなんて、許されないことだと思ってた。
でも咲希は受け入れてくれる?
────あたしと田代が付き合ったのは、あたしが失恋した日だった。
「あたしは、石塚が好きだったんだ」
入学してすぐ一目惚れした。
誰よりも努力して、いつも笑顔な石塚はみんなから慕われてて人気があった。
そんな石塚だから、きっと好きな人とも上手くいってるんだろうな。
そう思ってた。
石塚の恋が苦しいものじゃなくて、明るい恋だったらあたしも応援できてた。
でも、許せなかった。
彼氏がいる人を好きでいるなんて。