光ることを忘れた太陽。

「私は2人に素直になってほしい」


その目はまっすぐで。



「だから」


でも、今にも涙がこぼれそうな。



「もう1回、向き合ってきてよ」


優しくてあたたかい、咲希の願い。



咲希、あたしのせいで傷つけてごめん。


石塚、あたしのせいで巻き込んでごめん。


田代、一方的でごめん。


それでも、こんなあたしの言葉を待ってるって思ってもいいかな?



「……じゃあさ」


今度驚いたのは咲希だった。



「咲希も、石塚と話し合ってよ」


4人の恋は、みんな一方通行。


全員が苦しくて、辛くて。


それでも少しの希望の光を見つめて、進んできた。



もしもまた、わかり合える日がくるのなら。


あたしは心から笑い合いたい。


そう思うよ。



だからもう、報われない想いを心の中に秘め続けるのはやめよう?


この真実の向かう先にはきっと─────。


2人だけの幸せが世界があるから。


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