光ることを忘れた太陽。
そして、まっすぐに俺を見つめてこう言う。
「でも、あたし……田代のことちゃんと好きだった……!」
あぁ、もう。
俺はその言葉だけで十分だよ。
桜蘭と付き合えて良かった。
俺はもう、後悔なんてしない。
「ありがと、桜蘭」
「こちらこそ」
そして、少しの沈黙が流れる。
でも話す前とは違って、不思議と気まずくはなかった。
「田代。……いや、尚也」
「尚也」って呼ぶその声が、どうしようもなく胸に染みる。
「────その気持ち、伝えに行こう」
伝えに行くって。
今、咲希はどこに……?
そんな俺の考えが伝わったのか。
「咲希なら石塚と一緒に─────」
それを聞いた俺はすぐに駆け出していた。
まさか、まさか……!
走れ……!!
今ならまだ間に合うから。
伝えるんだ。俺の精一杯の想いを。