光ることを忘れた太陽。
「あなた、何様なのよっ……!」
その母さんの言葉の次に、ドンという何かが倒れるような音が聞こえてきた。
そして、「咲希ちゃん!」と呼びかける石塚の声が聞こえる。
今……母さんが咲希を突きとばした、ってことか?
……許せねぇ。
「あなたに私達の何がわかるの?尚也とどういう関係なのよ!」
そんなの、ひどすぎる。
咲希を傷つけるような言葉言うなよ。
誰のせいで、こうなったと思ってんだよ。
「私にとって尚は、1番大切な人です」
「大切な、人……?」
母さんの震えるような戸惑った声。
その後に聞こえた言葉は。
「私は──────」
「……っ!」
頭が真っ白になった。
俺は本当に何もわかってなかった。
咲希のことを幸せになんて、できないと思ってた。
俺にはそんな資格ないって思ってた。
でも、咲希にとっての本当の幸せは……。