光ることを忘れた太陽。
「咲希!」
もう立ち尽くしてはいなかった。
俺は咄嗟に扉を開け、叫んでいた。
そして、咲希と目が合う。
「尚……」
あぁ、好きだな。
泣きそうなのにどこか輝いてる、その瞳も。
俺のために真剣になってくれる一途で優しいところも。
全部、全部好きだ。
どの咲希も見逃したくない。
俺以外の奴とは、いてほしくない。
「もういい。もういいから……」
俺の知らないうちに咲希はこんなに強くなってた。
俺のために、こんなに頑張って立ち向かって。
前に進むための勇気と自信をくれた。
みんなと向き合おうと思ったのも、咲希のおかげ。
このままじゃダメだって思ったのも、守りたいって思ったのも。
隣に俺がいないと輝けないような、寂しがりでまっすぐな太陽をこれからも見ていたいって思ったから。
だから、咲希が伝えてくれたように伝えよう。
俺の想いを、真実を、大切な人達に。