光ることを忘れた太陽。
「でも……尚が抱えてた思いはこんなに小さくないでしょ?」
そうだな。
本当に辛かった。助けてほしかった。
それでも俺はもう見失わないから。
「俺は、咲希がいてくれれば充分だから」
「え……?」
だって咲希も、俺と同じ気持ちなんだろ?
俺は、咲希のためを思って別れた。
でも桜蘭と付き合っても、何をしても、咲希と過ごした思い出だけは消せなかった。
あの約束のペアリングも、今も捨てずに残ってる。
毎朝起きたら見れるように、すぐそばに置いてる。
咲希との日々を忘れないように。
やっぱり俺は、咲希がいなきゃダメだった。
そのあたたかい優しさに触れていなきゃダメだったんだ。
『私は─────ずっと尚が好き。尚じゃなきゃダメなんです。だから、絶対に苦しんでほしくない』
咲希が、そう思うように。
俺だって咲希への想いは誰よりも強いから。