光ることを忘れた太陽。

「咲希、ありがとう」


瞳に涙を浮かばせながら俺を見る咲希に言葉をかける。



すると、咲希は泣きながら、笑った。


俺の大好きな、あの笑顔で。


「うん……っ!」



さぁ、俺も進もう。


みんなが手を引いてくれるなら、きっと大丈夫だから。


もう逃げるのはやめよう。


ちゃんと、向き合うんだ。




「母さん」


俺がそう呼ぶと、母さんはビクッと身を震わせる。


本当は、知ってた。


母さんも怖くて怯えてたこと。



雅兄のことで頑張って疲れてたのに、俺は追いうちをかけるようなことしたんだ。


でも俺は自分のことでいっぱいになって、見て見ぬフリをしてた。



「今までごめん。母さんだって苦労してるのに、俺だけ……」


「違うの。私達も尚のこと見てあげられてなかった。こんなの、親失格よね……」



ずっと俺は、母さんを敵だと思ってた。


母さんなんか大嫌いだった。



でも、昔は─────。
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