光ることを忘れた太陽。
10章

隣は君だけ




《咲希side》




朝日が昇って、また新しい朝がやってくる。


昨日まではずっと現実を受け入れたくなくて、もがいてた。


明日なんてこなければいいって、そう思ってた。



でも今は違う。


どんな形でも私は進めたんだ。


みんなのおかげで、あの現状から抜け出せた。



だから今日から、笑って前へ歩こう。


私の大切な人が、そこで待ってるから。





昨日はあれからすぐに帰った。


尚と尚のお母さんにゆっくり話してもらいたくて。


『今日はもう帰りますね』


そう言って3人で尚の家をあとにした。



もちろんあれからどうなったのか気になるけど、あんなに頑張ったんだもん。


きっと尚にも私達の思いは伝わってる。


尚のお母さんだってきっと、尚を大切に思ってるんだから。


ゆっくりでも尚の家族なら進んでいけるよね。
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