光ることを忘れた太陽。
「それって」
帰りも一緒に帰っていいってこと?
尚も私と帰りたいって思ってるってこと?
その言葉は恥ずかしくて口には出ず、心の中で発する。
「……俺が、咲希と帰りたいだけだから」
そう言って尚は照れくさそうに笑った。
────ドキン。
やっぱり私、尚が好き。
私が隣にいてほしいと思うのは、尚だけだよ。
そんな想いが胸いっぱいに広がる。
だからこそ、尚には私がいなくても幸せになってほしい。
今まではずっと、そう言い聞かせて自分の気持ちをごまかしてた。
でも、好きって気持ちは消えなくて。
一緒に過ごした思い出も、過去も、全部消えるのが嫌で。
結局、どうしても一緒にいたい。
昨日の1日だけで、距離が元に戻ったみたい。
もちろん全部戻ったわけじゃないけど。
前みたいにぎこちなくじゃなくて、ちゃんと目を見て話せる。
それがどうしようもなく嬉しいんだ。