光ることを忘れた太陽。
◇◆◇
「おはよっ」
学校に着くと武琉と桜蘭が話しているのが見えて、急いで駆け寄った。
すると、2人は顔を見合わせて驚いてるようだった。
そりゃ、そうだよね。
今まで一切話してなかった私達が、こうして一緒に学校へ来てるんだから。
「咲希と尚也、一緒に来たの?」
桜蘭がニヤニヤしながら聞いてくる。
うぅ、やっぱり恥ずかしい……。
でも。
「そうだけど?」
平然と言ってのける尚は、本当にすごいと思う。
……こんなこと、小学生の頃もあったよね。
そのときから尚とはいつも一緒で、きっと1番大切な存在だった。
それは今も変わらないけど。
そのときも、辛い気持ちを隠して必死に笑ってたのかな。
私達の前でも無理してたのかな。
きっと、そうだよね。
小学生のときから、私にはわからないほどの苦しい思いをしてきたんだ。
私は少しでもその痛みを取り除くことはできたのかな。