光ることを忘れた太陽。


◇◆◇



「おはよっ」


学校に着くと武琉と桜蘭が話しているのが見えて、急いで駆け寄った。


すると、2人は顔を見合わせて驚いてるようだった。



そりゃ、そうだよね。


今まで一切話してなかった私達が、こうして一緒に学校へ来てるんだから。



「咲希と尚也、一緒に来たの?」


桜蘭がニヤニヤしながら聞いてくる。


うぅ、やっぱり恥ずかしい……。



でも。


「そうだけど?」


平然と言ってのける尚は、本当にすごいと思う。



……こんなこと、小学生の頃もあったよね。


そのときから尚とはいつも一緒で、きっと1番大切な存在だった。


それは今も変わらないけど。



そのときも、辛い気持ちを隠して必死に笑ってたのかな。


私達の前でも無理してたのかな。


きっと、そうだよね。



小学生のときから、私にはわからないほどの苦しい思いをしてきたんだ。


私は少しでもその痛みを取り除くことはできたのかな。
< 208 / 301 >

この作品をシェア

pagetop