光ることを忘れた太陽。
明日また、笑うために
《尚也side》
「ここだ……」
今、俺は雅兄の病院の目の前に立っている。
怖いし、緊張する。
最後に会ったのは3年前くらいだったかな。
親と一緒に来ることはあっても、自分から1人で来るのは初めてだ。
雅兄、どう思うかな。
邪魔だって、そう思うかな。
それとも、俺のことなんて忘れてるかな。
でも、進むためには俺から動くしかないんだ。
なんて言われたって、受け入れてもらえなくたって構わない。
でも、1人で抱え込むんじゃなくて、周りにいる誰かを頼っていいんだ。
だって俺は、咲希と2人で進みたいから。
仲間がいるって、信じさせてくれたから。
咲希に全部知ってもらうために、この気持ちを伝えるために。
俺だけ立ち止まってるわけにはいかない。
そうだよな、咲希。
隣にいる咲希の表情は、いつもと違って緊張してるようだった。
今まで隠しててごめんな。
でも、全部これから教えるから。
一緒に、背負っていってくれないか?