光ることを忘れた太陽。
光を取り戻した太陽
病室の扉をバタンと閉めて、深呼吸をする。
すると、胸の奥からあたたかいものがこみ上げてくる。
そして不覚にも。
「大きくなったね、って。なんだよそれ……っ」
涙が止まらない。
家族のぬくもりって、こんなにあたたかかったんだ。
愛って、こんなに近くにあったんだ。
知らなかった。
気づかなかった。
そんなの、わかろうともせずに1人で自分を追いつめてた。
俺なんて必要ない、って自暴自棄になってた。
必死に逃げ場をつくって、もがいてた。
「尚、無理しないで。泣いていいんだよ」
でも、俺が泣くなんて、そんなのズルいじゃん。
雅兄や、そばで支えてきた母さん達の方が辛いのに。
何もしてこなかった俺が泣くなんて。
そんなのおかしいじゃん。