光ることを忘れた太陽。
「大丈夫。尚がたとえ前へ進めなくても、私が手を引いてあげるから」
だから、一緒に歩こうよ。
そう言って俺の手を握る咲希。
その手も震えていて、ずっと繋いでいたい。
愛しいって心の底から思う。
ずっと伝えたかった。
でも俺には伝える資格なんてないって、いつしか諦めてた。
それなのに、心だけはどこまでも正直で。
隠したかった想いまで、全部溢れてくる。
苦しい過去に耳を塞ぎたくなるかもしれない。
また裏切られたら、って怖いかもしれない。
俺じゃ幸せにできないかもしれない。
でも俺は、咲希がいいんだ。
こんなに確かな強い想い、もう隠せるわけがないんだ。
「……咲希、好きだ」
周りの雑音も視線も感じない。
今ここにいるのは2人だけ。
────俺の “ 太陽 ” は、咲希しかいないよ。