光ることを忘れた太陽。
でも、俺の咲希への好意は周りにはバレバレで。
特に、咲希の友達の井上にはよくからかわれる。
アイツ……なんなんだよ。
仕方ねーだろ。
好きなもんは好きなんだから。
周りの人は気づくのに、なんで咲希はわかんねーんだよ。
当の本人は全く気づかない。
きっと俺は、失恋してるんだ─────。
「尚?なんか機嫌悪くね?」
「い、いや、別に」
いきなり顔を覗かれて慌てて否定する。
話しかけてきたのは大石隼人(おおいしはやと)。
通称、隼。
俺は隼にも尚って呼ばれてる。
隼も、俺や咲希と6年間同じクラス。
いつもクールで、毒舌なのに口数が多くて。
そんな隼はいつもみんなに好かれていた。