光ることを忘れた太陽。
◆◇◆
俺は、咲希ちゃんが好き。
きっかけは入学式の日の委員会。
尚也と仲良くなった俺は、彼女である咲希ちゃんに挨拶しようと思い、近寄った。
噂では聞いてたけど、本当に可愛い子だなぁ。
感じたのはそれくらいで、そのときは別に特別な感情なんて何もなかった。
はずなのに。
「武琉でいいよ」
「じゃあ、武琉!よろしくね」
その瞬間、俺の心臓がドキンと跳ね上がった気がした。
彼氏がいるってわかってるのに。
尚也に敵うわけないってわかってるのに。
なんで好きになっちゃったんだろう。
なんで咲希ちゃんなんだろう。
なんで彼氏がいるんだろう。
俺の中で、ずっとその疑問だけがグルグルと回っていた。
こんなこと思っちゃいけないって、わかってるけど。
────俺のものに、なってくれればいいのに。
あのときの笑顔に、俺は恋したんだ。