光ることを忘れた太陽。

すると。


「咲希が鈍感じゃなくなればわかるんじゃねーの?」


と、隼が口を挟む。



それでも咲希は。


「誰が鈍感なの?」


と、バカなことを言っていた。


まさか、無自覚かよ……。



ふと、隼と目が合う。


隼は苦笑いを浮かべていた。


俺もきっと同じ顔してるよな。



「はぁ……。咲希に決まってるじゃん」


ため息混じりに俺が言うと、咲希は驚いた顔をした。



「えっ?私が鈍感?」


……おい。


咲希のバカさはけっこう重症みたいだな。



そして。


「咲希って本当にバカだよな」


そう言ってしまう俺は、もっとバカだ。


好きなのに、なんで素直になれねーんだろう?
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