光ることを忘れた太陽。

「絶対、逃げないで」


尚也と咲希ちゃんには素直になってほしかった。


2人には、俺や桜蘭ちゃんの分まで幸せになってほしかった。


それが、本当の願いだったんだ。





それから、咲希ちゃんと尚也はまた付き合い始めた。


最初は辛かった。


2人を見ているだけで、逃げ出したくなるときだってあった。



でも、そんなときは。


そばにいる “ 君 ” の存在を思い出して、乗り越えてきたんだ。


それだけ、俺の中で “ 君 ” はどんどん大きな存在になっていった。



どんなに辛くても、苦しくても。


1人じゃないなら絶対に乗り越えられる。


2人なら、今よりもっと強くなれる。




ねぇ、今隣にいる “ 君 ” の気持ちが変わってないなら。


この気持ちを聞いてほしいよ。


今こそ、俺の本当の気持ちを。
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