光ることを忘れた太陽。
◇◆◇
「────そんなことも、あったね」
あれから半年が経った今。
そう言って、目の前の “ 君 ” は穏やかに笑う。
あの頃とは違う、着飾らない笑顔で。
それだけであたたかい感情がこみ上げてくる。
ねぇ─────桜蘭ちゃん。
「俺、あのとき本気で桜蘭ちゃんのこと恨んだ」
そう口に出しながらも、俺の視界には咲希ちゃんと尚也が映る。
あ、また手を繋いで歩いてる。
やっぱり、幸せそうだな。
幸せは誰かの不幸でできている。
なんてよく聞くけど、今この瞬間それを実感したよ。
でもね?
俺は、そのことを恨んでなんかいないんだ。
だって今なら、咲希ちゃんのことを好きになって良かったと思えるから。
もう後悔はしてないから。