光ることを忘れた太陽。
「桜蘭ちゃんのおかげで、大切なものを見失わずに済んだんだ」
そう伝えても、桜蘭ちゃんは疑いの目を向ける。
あれ、本当に信じてないの?
「でも、それは咲希や尚也が……」
「違うよ」
確かに2人にも助けられた。
でも、俺にとって今1番心の支えになっているのは。
「桜蘭ちゃんだよ」
そう、これは心からの本音だよ。
桜蘭ちゃんがいなかったら、俺は逃げ出してたと思う。
ずっとこんな俺の隣にいてくれた。
それだけで、心強いんだよ。
「そんなこと言われたら……っ、最後って言ったのに最後にできないじゃん……」
最後?
一体、なんの話?
「ねぇ、石塚」
俺と桜蘭ちゃんの間に、なんとも言えない不思議な空気が流れる。
でも、居心地が悪いわけじゃない。