光ることを忘れた太陽。
「……っ、はいっ!」
震える声で返事をした桜蘭ちゃん。
もう、泣くなんて可愛すぎるよ。
ねぇ、桜蘭ちゃん。
俺達もかなり遠回りしたよね。
桜蘭ちゃんと尚也が別れた日から、もう俺達の恋は進まないと思ってた。
でも今は、桜蘭ちゃんが隣にいるから。
それだけで幸せだって思えるよ。
咲希ちゃんへの失恋の痛みを忘れたわけじゃないけど。
桜蘭ちゃんの素直な想いに、俺の気持ちはどんどん傾いていったんだ。
だから。
「……俺の負けだよ」
そのイタズラな笑顔も。
嬉しそうに隣を歩く顔も。
手を繋ぎたそうに俺を見上げる顔も。
全部、大好きなんだ。
「え?なんか言った?」
「ううん。……ただ、好きだなって思っただけだよ」