光ることを忘れた太陽。
俺の言葉に、桜蘭ちゃんは顔を真っ赤にする。
こういう言葉、言われ慣れてると思ってたんだけど。
俺が思ってるよりも、桜蘭ちゃんはウブなのかもしれない。
俺にとって初めての彼女。
それが桜蘭ちゃんで、本当に良かったよ。
「……もう、ズルい。武琉のバカ……」
やっと、やっと名前を呼んでくれたね。
最近の俺はなんか変で。
桜蘭ちゃんが尚也のことを名前で呼ぶ度に妬いてたんだよ。
だって、尚也のことは「尚也」って呼ぶのに。
俺のことだけ名字で「石塚」だったでしょ?
実は、けっこう嫉妬してたんだよ。
ねぇ、知らなかったでしょ。
咲希ちゃん。
俺に初恋を教えてくれてありがとう。
咲希ちゃんのおかげで、俺はいつも笑っていられた。
誰かの幸せを願うことを、学べたんだ。