光ることを忘れた太陽。
2章
日常のカラー
《咲希side》
暖かい日差しが差し始めるこの時期。
新学期が始まってから1週間。
いつものように挨拶をして、朝を過ごしていた。
「光梨、おはよう!」
「おはよう。今日も相変わらず元気ね」
私達の挨拶は毎日の恒例行事。
その後、昨日のテレビとかの話をしながら、水飲みに行くんだ。
そして、私の恒例行事がもう1つ。
「おい、咲希」
「な、何?」
毎朝、尚が話しかけてくるんだ。
そして。
「おはよ」
その言葉だけ言い残して、尚は隼人のところへ行く。
始業式から尚が挨拶してくれるようになって。
最初の頃は不思議だったけど、最近は気にしないで挨拶するようになったんだ。