光ることを忘れた太陽。
「おはよう!」
隼人のところへ向かう途中の尚に、大きな声で挨拶を返す。
すると尚は振り向かずに左手を上げるだけだった。
相変わらず、よくわかんない。
もちろん私は。
「……バーカ」
尚が小声でそう呟いていることなんて知るはずもないけど。
そんな後ろ姿を見送りながら、私は隣の光梨に視線を送った。
ふと隣の光梨に目を移すと、心ここにあらずの状態。
気になって顔を覗き込むと。
「あっ、咲希!?」
「光梨、どうしたの?大丈夫?」
ずっとボーッとしてたから心配だなぁ。
すると光梨は、寂しげな表情を浮かべた。
「あたし、好きな人がいるの……」
光梨の好きな人?
そういえば聞いたことないけど、誰だろう?